簡単にモノが手に入る現代。必要なものはインターネットで検索すればすぐ見つかるし、購入ボタンを押せばすぐに届けてもらえる。そういう流れのせいか、欲しいと思ったらどうしてでも欲しいと、我慢することを知らない若者が増えている。そして簡単に手に入れたものに対しては愛着も薄く、最新の変わるものが世に出てくれば興味はそちらに移行してしまう。新しいモノを持っていたい、人が持っていないモノを持っていたい、周りに自慢したい。そういう身の丈に合っていない生活に憧れる若者が、借金をしてでも買い物をしてしまうケースが増えているという。

お金に対する価値観をちゃんと教育されないまま、携帯電話やクレジットカードを持つ若者。彼らにとってそれはおもちゃの延長のような感覚なのかもしれない。なぜなら携帯電話を持っていて、壊れていなくても最新型が出たら買い換えてしまうも、旧型と新型の違いは?と問うたところでわからないという答えが多いからだ。ただ新しいから、皆が持っているからという理由で最新型に手を出す。しかしながら最近の携帯というのは機種代がとんでもなく高い。小さいながらも機能はパソコンとほぼ同じであるから数万円もするのだ。これを定期的に買い換えているのだから、自分の給料だけでは賄えなくなってくる。そんな時に、お金がないから我慢しようという感覚はなく、クレジットカードを利用して買い物をしたりキャッシングをしたりして何とかして手に入れようとするのだ。クレジットを利用すると何となく感覚が薄れてしまうが、これはれっきとした「借金」だ。そしてその感覚が緩慢になり、次第に麻痺して言ってクレジットだけでは追い付かず消費者金融から借り入れするようになる。返す当てがなくても、貸すほうはとりあえずは貸してくれるので、負債がどんどん膨れていく。「払えなくなったら、自己破産でもすればいいや」と、その状況にすら危機感を覚えない。そのくらい、彼らにとってお金というのは簡単にとらえられているのだ。

また、返済計画もろくにないまま高額の借金を作る若者が増えている。こういう場合融資を受ける手続きの際に保証人を立てなければならないのだが、友人が簡単に保証人になってくれるケースが急増しているそうだ。若いうちの友人関係、割と希薄な関係だとしても保証人になってしまう。「トモダチって、そういうもんでしょ!」と根拠もなく熱く語る若者。しかし実際に本人が自己破産してしまったら否応なく友人に支払い義務が生じてしまうことを、深くは考えきれないのだ。

こういう若者が増え続けている現代社会、自己破産をする人が増えたら国全体も破産してしまうのではないだろうか。今後はもっと低年齢層のうちからお金や経済に対する知識を植え付けなければいけないのではないかと思う。