買い物をするとき、現金ではなくカードで、と言いながらすっと差し出されたカードが金色をしていると、何となく店員さんの目つきが変わるように感じる。ゴールドカードというのは持っている人が少ないからか、見るからにお金もちがステータスとして所持するカードという雰囲気が漂っている。しかし、実際のところゴールドカードがどういう機能を持っていて、どういう人がそれを作る条件を満たすのかはあまり知られていない。一昔前までは、どの会社のゴールドカードもその条件の相場基準が「35歳以上、年収500万以上、勤続年数5年以上」だったようだ。しかし現在ではその基準はかなりゆるくなっている。具体的にどのように変化しているのか調べてみた。

まず、年齢制限。これはかなり下がっていて、20歳~25歳の若い人でも作れる場合があるようだ。ゴールドカードも種類が増えて「ヤングゴールドカード」なるものが出回って以来、その所持者の低年齢化はますます進んでいる。若い世代でも収入が安定して高ければ作ることが可能なのだ。事務所を構えない、インターネット上でのネット企業を立ち上げて高収入を得ている若社長が増えている現代では、ヤングゴールドカードが流行していくのにも納得できる。

20代から50代までの平均年収を調べた結果、年収500万円を超える年齢層はやはり30代後半以降であった。収入だけを見るとゴールドカードを所持する年齢は以前の条件のように35歳以上が相当する。しかし最近の条件としては、年収400万円でも勤続年数が長ければ作ることが可能なようだ。ゴールドカードといえどもそもそもはクレジット機能が付いたカードなわけであるから、その人の信用度は厳しく審査しなければならない。安定した収入と勤続年数があれば、極端な話年収が300万円ほどでもカードを持つことができる。それまでのカード利用履歴が頻繁でなければ、なおさら審査に通りやすいようだ。そういった人がゴールドカードを作った場合、利用限度額も高く設定してもらえる。羽振りが良い高収入の社長よりも、安定してコツコツ働く堅実な社員のほうがゴールドカードの審査に通りやすいという現実に、最近の時代の流れを感じる。さらに、ほとんどの会社がゴールドカードにグレードアップする上で年会費を必要とするので、条件や審査の幅を緩くすることで会社側の年会費による収入源を増やそうというもくろみも感じてしまう。

しかし、あまりにゴールドカードを簡単に作れてしまうと所持している人が増えて、その価値が薄れてしまうのではないかと懸念されてならない。