幼いころから親の借金癖のせいで、苦しい生活を強いられた子供は意外に多い。テレビを見ていると、よく芸人さんがそういう話を笑えるものに作りかえて口にしている。幼少期に贅沢をしていない方が、本人に生活力が身について自立しやすいという人もいる。しかし親が借金苦の状態を日常生活で目の当たりにさせられる子供というのは、やはり精神的に傷を負って成長してしまうのではないかと思う。それどころか、幼いころから「親の面倒は子供が見るもの」と教育されていれば、だらしない親の借金癖ですら面倒を見ることになるのではないかと危惧してしまうだろう。実際に、そういう子どもが成人し、親が返済能力がないとみなされた場合、その子が肩代わりをしなければならないのだろうか?

親に返済能力がないとみなされた場合、というのはいくつかある。例えば事故や病気で働けなくなった場合や、失踪した場合、そして死亡した場合などが挙げられる。結論から言うと、どの場合でも親の借金を子供が肩代わりすることは免れられる。ただし親が死亡した場合は特別で、遺産相続の放棄を行使しなければ借金を背負うことになってしまう。相続する親の財産の中には負の遺産も含まれるからだ。基本的に、親が作った借金を本人が返済できないからと言ってその妻や子供に肩代わりさえっるということはまずない。ただ、その借金の契約内容において連帯保証人に妻や子供の名前があった場合は、その支払い権は移行されてしまう。何も知らされないまま連帯保証人になることはまずないが、そのあたりは詳しく調べておく必要があるだろう。とにかく、借金癖がなおらない家族や親せき、恋人が身近にいる場合は、何かトラブルが起きた時に対処できるようにある程度の法律を知っておいた方が良いだろう。法的な効力もないのに「子供のお前が親を助けないでどうするんだ」などと情に訴えかけてきたときにも、それに流されることなくきちんと言い返すことが出来るようにしておかなければならない。蛙の子は蛙、となって自分の人生を借金によって振り回されてしまわないように、自分はトンビから生まれた鷹なんだという自覚を持っていてほしいものだ。