債務整理という言葉を聞いたことがあると思います。債務整理とは、多重債務によって返済不能となってしまった借金を減らしたり無くしたりする法的な手続きのことです。債務整理には4つの種類があります。ひとつはよく聞く言葉でしょうが自己破産で、借金もすべて無くなり返済の義務も無くなると同時に、自分の財産もある程度処分をしたり制限を受けたりすることになります。次に個人民事再生や特定調停があり、個人民事再生は地方裁判所に申し立てることで借金をおよそ2割程度にまで減額できる手続きで、特定調停は簡易裁判所が両者の間に入り債務を軽減する手続きです。

もうひとつは任意整理で、これは裁判所を通さずに弁護士などが直接債権者に借金の減額を個別に交渉する手続きです。こうした債務整理や過払い請求は、一部の弁護士事務所や司法書士事務所にとって大きな収益源となり、中にはその人の債務全般を整理するのではなく報酬を得ることができる債務関係だけ着手をしてその他の儲からない案件は全く放置してしまうケースも出てきたため、弁護士や司法書士の協会ではそうした引き受けをすることのないよう注意喚起をしています。

以前は過払い請求をしてもブラックリストに載りましたが、現在では過払い請求に合わせて債務整理などの事故情報のない場合は登録されなくなりました。ブラックリストに載るとは、銀行や消費者金融系などが業界ごとに作っている個人信用情報機関に金融事故情報が登録されることで、銀行系の信用情報機関の場合はこうした債務整理は約10年間事故情報が登録されて、その間は新規の申し込みなどの制約を受けることになります。消費者金融系の信用情報機関ではもう少し登録期間が短いようです。この期間中はクレジットカードの申し込みなども制約を受けるようですが、キャッシング枠を作らずショッピング枠だけで申し込みをすればクレジットカードを作ることができたという例もありますので、該当する人は試してみると良いかもしれません。