この不景気の世の中で、お金に困らずに生活している人は少ないのではないかと思う。節約やまとめ買いなどを賢く利用して、少しでも生活に余裕を持たせるように努力している人は多い。そんななか、収入は同じくらいのはずなのに妙に羽振りが良い人や、持ち物が妙に高級なものばかりの人がいる。そういう人が、周囲に見栄を張るために多額の借金を抱えていたという話はよく耳にする。

しかし、一見まじめで堅実な雰囲気を持った人が、実はだらしなくて借金まみれだったということもある。娘の結婚相手を疑った両親が、専門家に頼んで調べてもらったら多額の負債を抱えていて破談になってしまった、なんていうこともある。外見だけではその人の本質はわからないし、先ほど述べたように借金の有無というのは専門家を雇わないと知り得ないというレベルまでばれにくくなっている。個人情報の保護を重んじる社会になっているので借金のように、周りに知られたくないような情報は厳しく守秘されることが多い世の中になっている。こういう流れから、家族にばれずに借金ができるように金融会社も徹底したサービスで個人情報を守り抜いてくれる。ゆえに家族間や夫婦間で、借金をしている事実がばれるようになった頃には自分ではどうすることもできない額の負債を抱えてしまっていることが多いのだ。

そもそも、どうしてばれないのだろうか。同じ屋根の下で暮らしている相手にですら隠せるくらい、金融会社とのやり取りは水面下で行われているのだろうか。これは、一つは手続きが簡素化していることが理由に挙げられるだろう。最近ではインターネット上で借入手続きができるし、コンビニATMでも借金を作ることができる。返済も同様にして行えるので電話履歴や郵便履歴に残りにくい。こうなると、相手の一日の行動を監視しない限り借金があるかどうかは判りにくくなる。また、必要最低限な金融会社とのやりとりの中でも、本人が希望すれば融資側が気を遣って絶対に金融会社だとばれないような対応をしてくれる。自宅に電話を掛けるときもそれとわからないようにしてくれるし、返済の履歴などを記した証明書等の郵便物も、中身を開かない限りは判らないようにしてくれるのだ。ここまでされてしまうと、家族に多額の借金があっても気付けない。自分の配偶者や親や子供、まさかうちに限って…とおもっている人ほど危険かもしれない。急に金回りがよさそうに感じたらすぐ調査するべきだし、常日頃からもっと家族に興味をもって、今以上にアンテナを張っておく必要があるようだ。