結婚してから「こんなはずじゃなかった」と配偶者に思うことが全くない夫婦など、いないのではないだろうか。付き合っている段階では気付くことができない相手の癖。結婚後これに気付いたとき、それが許容範囲内のものであれば良いが、そうでない場合…たとえば、浮気癖とか、暴力癖。離婚を考えるほど深刻なものもあり、自分一人ではどうしようもできずに悩んでいる人はたくさんいる。

配偶者の困った癖の中でもかなり深刻なものとして、借金癖があげられる。独り身の時の借金とは違って、配偶者の生活状況を揺るがすことになりかねないので、相手に何とか改善してほしいと試みるだろう。しかしそれでも、借金ばかりを重ねてしまう人はいる。自分でもダメだと解っていてもギャンブルに手を出したり、消費者金融のATMに吸い込まれるように立ち寄ったりして、簡単にお金を手にすることが癖づいてしまっている人が沢山いるのだ。そんな人と知らずに結婚してしまったら離婚すればいいだけの話だが、なかなかそうもいかないのが現実だ。情が湧いてしまい「借金癖はあるけどそれ以外はとても良い人なのよね」なんて思ってしまう。そういう時に妻が、夫にこれ以上借金を作らないようにできる方法があるという。貸付自粛制度というものだ。これは、日本貸金業協会が制定しているもので、どうしても借金を重ねて作ってしまう人のために、これ以上借入できないように強制的にしてしまうものである。

この制度は、基本的には本人が手続きを行うことであらゆる金融会社から向こう5年間は融資を受けられないようにしてしまう。自分でもよくないと解っていて借金をしてしまう人には、とても効果的な制度だ。この制度を、本人ではなく配偶者が手続きすることに関しては若干複雑な条件が付いてくる。例えば本人が失踪してしまったとか、本人が断固として手続きを拒んでいるものの必要性がある場合など、本人不在の場合はそういったものを証明する書類が必要となってくる。しかし、本人を説得して、配偶者と一緒に赴き手続きを済ませれば簡単に借り入れ停止の措置を受けられる。しかも今後、本人がやっぱり借金を作ろうと手続きを解約しようとしたとしても、配偶者と一緒でなければ解約できない仕組みになっているから安心だ。

夫の借金に対して、連帯保証人になっていないからと言って放っておくことが出来れば良いが、自分だけじゃなく子供の生活にも影響してくる問題であるから、配偶者としてできる限りのことはするべきであるし、こういったこと以外にも夫婦間・家族間でのトラブルに備えて日頃から法律や制度を勉強しておく必要があると思う。