お金に困った時に、銀行なり消費者金融なりから借り入れをしたことがある人はたくさんいるだろう。しかし大体の人が一度や二度の借り入れだけで終わろうとするだろうし、再度お金に困ってもできれば借りたくないという気持ちがあるのではないだろうか。そんな中、一度借金をすると止められない人たちがいる。理由は様々で、借金の返済のための借金を重ねる人もいれば、ギャンブルにつぎ込む人もいる。こういう人たちはその流れから抜け出せなくなって、気づいたら自己破産をせざるを得ない金額の借金を作ってしまっていたという結末になりかねない。彼らはそもそも、計画的に行動できない人が多い。気持ちではだめだとわかっていて、返済しなければという責任感すら持っているのだが行動に移す癖が身についていないために、気づけば返済どころかなぜか更に借金を作ってしまうのだ。

そういう人たが借金を重ねないように、ある法律が存在する。総量規制という制度で、個人の借金借り入れの限度額を法律で制限しているものである。基本的にはその人の年収の3分の1が、借入限度額となる。つまり、多数の消費者金融から借金をしていてもその総額が限度額を超えると、自動的に借り入れができないようになっているのである。この制度があるおかげで借金地獄に陥らずに済んでいる人がたくさんいるだろう。ちりも積もれば山となるのは、借金も同じだ。いつのまにか膨らんで返済ができなくなるよりは、初めから借りることができなくなるほうが本人だけではなくその周りの人間も安心するだろう。

ただし、この総量規制には例外があって、不動産や自動車など単価の高い物の購入のための借り入れの場合はその限度額を超えても構わない。不動産購入のためにすでに年収の3分の1の借り入れをしていた人が急に病気やけがをして、医療費の借り入れを必要とした場合などが該当する。つまり総量規制とは、必要もないのに簡単に借金を作ってしまう人たちを増やさないための制度なのである。こういう法律が国家基準で制定されるということ自体が、なんだかだらしなく情けないような気がするが、皆が返せないくらいの借金を作って破産してしまうようなことになっては大変なので、仕方のないことなのだろう。