長崎県在住 E.Tさん(27歳)
若い頃からキックボクシングを頑張って来ました。と言っても、全然無名ですし、大した実力もなかったのできっと向いてはいなかった、才能はなかったんだと思います。今ではもう引退して、工場で働いているのですが、結構幸せだったりします。たまに練習でキックボクシングのジムに行ったりはしてますが。

ほんとに練習ばかりだった時代はきつかったですね。何が僕をそこまで動かしていたのかはわかりませんが、必死になって練習していました。お金もほとんど持っていなかったのでキャッシングをしてまで生活費をまかなっていました。アルバイトをしたお金はジムの費用などに使っていたので、生活費が足りなくなっていたのです。

キャッシングで生活費を賄うだけじゃ足りなくて、その時代を支えてくれたのが幼馴染の存在でした。彼女はキックボクシングをしている僕のことが好きだったので、最後まで燃え尽きて頑張れたのは彼女のおかげかも知れません。よく僕の家にきて料理を作ってくれたりしました。

今は引退したのですが、最後の試合は後輩で才能がある男との試合を希望しました。今でも仲良くしているのですが、彼に負けるなら本望だったのです。完全に試合は無効のペースでした。ダウンも何回かしましたが、気分は良かったです。

引退試合以降はなんとなく周りに助けられました。幼馴染の女の子とは一緒に住むようになりましたし、アルバイトで働いていた工場から声がかかって正社員として働くようにもなりました。キャッシングはそれ以降も使う時がありましたが、今は必要なくなりました。

なんだかんだと周りの人に助けられながら、それに自分が一番好きだったキックボクシングを最後までやって、後輩が輝いて行ってくれているというのは、なんとも幸せな感じがします。今のように周りに助けられている状況が幸せなのかなぁって思ったりもします。